映画と英文法14ーHow dare you?

映画と英文法14

 

刑事  :Your wife, she’s, she’s got the money in the family, doesn’t she?

キンブル:Helen comes from a wealthy family. Yes.

刑事  :Is she insured?

キンブル:Yes, she is.

刑事  :Who’s the beneficiary?

キンブル:I am.

刑事  :The sole beneficiary?

キンブル:Yes.

刑事  :Financially, you’re not going to be hurting after this then, are you? I mean, she was worth quite a bit of money.

キンブル:You suggesting that I killed my wife? Are you saying that I crushed her skull, and that I shot her? How dare you?

 

 キンブルの最後のセリフを取り上げます。

 

Are you saying that I crushed her skull, and that I shot her? How dare you?

 「私が、彼女の頭を打ち砕いて、彼女を銃で撃ったと、言っているのか?よくもそんなことが言えるな」

 

 How dare ~ ?

 

は、「よくも~できるね」という意味の重要表現です。

 キンブルのセリフは、

 

 How dare you say so?

 

の下線部の部分が省略された文です。

 動詞以下(~の部分)が省略されて、

 

 How dare you?

 

だけで、怒りの感情や苛立つ気持ちを出すときに使うときもあります。

 たとえば、

 

 How dare you say something like that? Don’t stick your nose into my affairs!

 「よくもまあそんなことが言えるね。私の事に口を挟まないでくれ!」

 

の、下線部を省略して、

 

 How dare you? Don’t stick your nose into my affairs!

 「よくもまあ。私の事に口を挟まないでくれ!」

 

 別の訳をすれば、

 

 「黙れ。私の事に首を突っ込むな!」

 

と、なります。

 「首を突っ込むな」は、他の表現として、

 

 Don’t poke your head(nose) into my affairs.

 Mind your own business. 「余計なお世話だ」

 Go about your own business.

 It’s none of your business.

 That’s my affairs.

 

などがあります。

 


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映画と英文法13ー付加疑問

映画と英文法13

 

 キンドルが、刑事から尋問を受けているシーンです。

 

刑事  :Your wife, she’s, she’s got the money in the family, doesn’t she?

キンブル:Helen comes from a wealthy family. Yes.

刑事  :Is she insured?

キンブル:Yes, she is.

刑事  :Who’s the beneficiary?

キンブル:I am.

刑事  :The sole beneficiary?

キンブル:Yes.

刑事  :Financially, you’re not going to be hurting after this then, are you? I mean, she was worth quite a bit of money.

キンブル:You suggesting that I killed my wife? Are you saying that I crushed her skull, and that I shot her? How dare you?

 

「映画と英文法12」の続きです。

 

 今回は、有名な付加疑問を取り上げます。

 同意を求めたり、確認するためであったり、念を押したりするために用いる疑問文で、代表的な形は単純です。

 肯定文に対しては否定形、否定文(準否定文も含めて)に対しては肯定形で受けます。

 

 1 He is a doctor, isn’t he?

   「彼は医者ですよね」

 

 2 He isn’t a doctor,

   「彼は医者ではないですよね」

 

 3 This custom doesn’t agree with you, does it?

   「あなたは、ここの習慣になじめないのですね」

 

 4 He won the game, didn’t he?

   「彼は試合に勝ったんでしょ」

 

 5 He can swim, can’t he?

   「彼は泳げますよね」

 

 6 He has already gone, hasn’t he?

   「彼はもう出かけましたよね」

 

という具合です。

 今回扱ったセリフ

 

Your wife, she’s, she’s got the money in the family, doesn’t she?

 

では、has gotはhasと同じ意味で使っているので、一般動詞扱いをして、doesn’t sheで受けています-なお、have(has)は、助動詞扱いをしてhaven’t(hasn’t)で受ける場合もあります。

 ただ、今回のセリフで、hasで受けてしまうと、通常の現在完了となり、has got = hasの関係でなくなってしまいます。それゆえ、当然、doesn’tで受けることになります。

 

 準否定と呼ばれる、seldom、rarely、few、littleなどは、否定とみなして肯定形で受けます。

 

 7 She seldom eats out, does she?

  「彼女はめったに外食しないですよね」

 

 8 There were few tourists in the temple grounds, were there?

  「お寺の境内で、観光客の姿はほとんど見かけなかったですよね」

  → there構文におけるthereは主語ではないが、付加疑問はthereで受け る

 

 9 I’m late, aren’t I?

  「私は遅刻ですよね」

 → I amは、aren’t Iで受けることが一般的。am I notで受けることはまれである。

 

 10 Sit down, will you?

   「座ってもらえる?」

   → 命令文は、will you、would you、won’t you、can you、can’t you、could youなどで受ける

 

 11 Sit down, would you?

   「座ってもらえますか?」

   → will youと違って、would youにすると、仮定法の婉曲を使ったぶんだけ少し丁寧になる。

 

12 Sit down, won’t you?

  「どうかお座りください」

  → will youやwould youが命令しているのに対して、won’t youは相手に行為をすすめる気持ちに近くなる。なお、否定の命令文は、当然、won’t youではなくwill youで受ける。

   Let’sの命令文はshall weで受けるが、Let me ~は通常の命令文と同じ扱いである。

 

 13 Nothing can stop me, can it?

   「何ものも僕を止めることはできないぞ」

   → nothingはitで受ける

 

 14 Someone called me, didn’t they?

   「誰かが僕を呼んだよね」

   → someone(somebody)、everyone(everybody)、nobodyは単数扱いだが、代名詞は通常theyで受ける

 

 こうして整理すると、付加疑問にもいくつかのパターンがあることがわかります。

 発音(読み方)として、上昇調で発音すれば、普通の疑問文に近くなり、下降調で発音すれば平叙文に近い印象を相手に与えます。

 

 さて、否定の付加疑問ですが、一見、否定の疑問文に近い日本語訳になりますが、相手に当たる印象はずいぶんと違います。

 例えば、

 

 You don’t have a pen, do you?

 

と言うと、

 

 「ペンをお持ちじゃないですよね。もしペンをお持ちなら、貸してほしいのですが」

 

という意味になります。

 日本語でも、自分がペンを持っていなくて、相手にペンを借りたいときに

 

 「ペンを持っていますか?」

 

とズバリと訊くとぶしつけな感じがして、

 

 「ペンをお持ちじゃないですよね」

 

と、遠慮がちに訊くときがあります。

 それに当たる英語です。

 それに対して、

 

 Don’t you have a pen?

 

と言うと、

 

 「あなた、ペンを持っていないの?」

 

と、驚き、あるいは、非難とも取れる印象を相手に与えます。

 もちろんこれは失礼になってしまうので、丁寧に、少し遠慮がちに頼むのであれば、

 

 You don’t have a pen, do you?

 You couldn’t lend me a pen, I suppose?

 

と表現することになります。

 

 ところで、そもそも付加疑問はどうして、

 

 肯定文は否定形で、否定文は肯定形で

 

受けるのでしょうか。

 たとえば、

 

 「彼は医者ですよね」

 

は、

 

 「彼は医者だ、えっ、医者ではないのですか?医者だよね」

 

の下線部の部分が付加疑問になっているのです。

 「医者ではないのですか?医者だよね」と、反対の意味の疑問を続けることによって、確認、念押しをしているようなものです。

 

 否定の場合も同じで、

 

 「彼は医者ではない。えっ、医者なの?医者じゃないよね」

 

という具合です。

 もし後半部分(下線部の部分)を同形(肯定文に対して肯定形、否定文に対して否定形)で続ければ、どうなるでしょうか。

 ここで2人の人間の会話を考えましょう。

 

 A:彼は医者だ。

 B:彼は医者なの?それは意外(驚き)だ。

 

 英語にすると、

 

 A:He’s a doctor.

 B:Is he? It’s surprising.

 

 下線部の部分をひとりの人間が言ったとしましょう。

 

 He’s a doctor, is he?

 

 もちろん、そのセリフの後には、

 

 「それは意外(驚き)だ」( That’s surprising )

 

という気持ちが続くでしょう。

 同形の付加疑問は、興味、驚き、場合によっては、非難の気持ちが込められる所以です。

 

 A:I hear he’s getting married.

 B:Is he? What does his fiancé(wife-to-be) look like?

 

 A:彼、いよいよ、結婚するそうだよ。

 B:そうなの?相手はどんな人だろう?

 

 下線部をくっつけると、

 

 I hear he’s getting married, is he?

 「彼、いよいよ、結婚するんだってね(相手は、どんな人だろう)」

 

という、興味津々という気持ちが込められています。

 

 このように、同形の付加疑問が存在するいじょう、

 

 He’s a doctor, (    ) he?

 ア is  イ isn’t

 

で、「アかイか、正しいほうを選べ」という文法問題は成立しないですね。

 

 たかが付加疑問、という気持ちで書き始めましたが、されど付加疑問でした。

 少々疲れたので、このへんでペンを置く、いえ、キーボードを叩くのを止めます。

 

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映画と英文法12ーworthの用法

映画と英文法12

 

 キンドルが、刑事から尋問を受けているシーンです。

 

刑事  :Your wife, she’s, she’s got the money in the family, doesn’t she?

キンブル:Helen comes from a wealthy family. Yes.

刑事  :Is she insured?

キンブル:Yes, she is.

刑事  :Who’s the beneficiary?

キンブル:I am.

刑事  :The sole beneficiary?

キンブル:Yes.

刑事  :Financially, you’re not going to be hurting after this then, are you? I mean, she was worth quite a bit of money.

キンブル:You suggesting that I killed my wife? Are you saying that I crushed her skull, and that I shot her? How dare you?

 

 worthは

 

 A is(are) worth B.

 「AはBの価値がある」

 

という意味なので、

 

 A = B AとBの価値が同じ

 

ということになります。

 刑事のセリフ

 

she was worth quite a bit of money.

 

から、刑事は

 

 she = quite a bit of money.

 

と、考えているのです。

 つまり、

 

 「彼女(殺害された、キンブルの妻)には、多額の保険が掛けられているので、彼女が亡くなれば相当なお金になる存在だった」

 

というわけです。

 worthと言えば、大学受験界では、

 

 worth ~ing

 「~する価値がある」

 

で、お馴染みの表現です。

 しかし、あまりにも有名過ぎた結果、worth ~ingという表現が一人歩きして、

 

 「worthの後には、~ingがくるのが一般的だ」

 

と、思い込んでいる人が結構いるかもしれません。

 しかし、名詞で表現できれば名詞を使い、名詞では表現しきれないときに動名詞が登場するわけです。

 「その美術館は訪れる価値がある」は、もちろん、

 

 The art museum is worth visiting.

 

でもいいわけですが、

 

 The art museum is worth a visit.

 「その美術館は、一度は訪れる価値がある」

 

と言えばいいのです。

 つまり、

 

 the art museum = a visit

 

というわけです。

 worthに関連した語も同様で、

 

 His works are worthy of being admired.

 

でもいいのですが、

 

 His works are worthy of admiration.

 「彼の作品は、賞賛に値する」

 

と表現するのが一般的です。

 deserveにいたっては、

 

 His works deserves admiring.

 

ではなく、

 

 His works deserves admiration.

 

と、「名詞で表現できるのなら、名詞を使うべきだ」という人もいます。

 

 以上の表現以外にも、worth ~ingには、有名な書き換え表現があります。

 

 The art museum is worth visiting.

 = It worth while to visit the art museum.(*)

 

 このwhileは「時間」という意味、Itはto ~を受ける形式主語で、

 

 「この美術館を訪れることは、時間をかける価値がある」

 

という意味になります。

 しかし、若干の修正が必要になります。

 まず、whileは、正確には、

 

 a while = some time

 

なのです。

 つまり、whileの前にaがついているのです。

 (*)の表現はこの部分が抜けているのです。

 このケースでは、

 

 「この美術館を訪れることは、あなたの時間をかけるだけの価値がある」

 

と言っているので、whileの前にyourを付ける必要があります。

 to visitをvisitingで言い換えても同じ意味になりますが、動名詞の場合は、worthとwhileを付けて、

 

 It is worthwhile visiting the art museum.

 

と表現し、さらに、whileを省略して、

 

 It is worth visiting the art museum.

 

と表現するのがより一般的なようです。

 


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英語の散歩道ーフルハウス

 ご存じの方も多いかと思いますが、アメリカのコメディードラマ「フルハウス」で、子供たちを愛する父親ダニー・タナー役を演じたボブ・サゲットさんが亡くなりました。

 享年65歳。まだまだやりたいことはいっぱいあったと思います。

 ダニー(ボブ・サゲット)が娘たちと接するときに見せる、語りかけるような優しい目は、今でも鮮明に覚えています。

 ボブ・サゲットさんと、他の出演者たちとの軽妙なコミュニケーションのやりとりは、英語の勉強にずいぶんと役立ちました。ビデオやCDを何度も聴き、次に何を言うのか、分かるほどです。

 しばらく本棚に眠っていたCDを見ながら、自分なりのやり方で、ご冥福を祈りたいと思います。

映画と英文法11

 

 

映画と英文法11

 

 今回は、2つのセリフを取り上げます。

 1つ目は、手術中に発した、一人の医師の言葉

 

 They’re all messed up.

 

 ここでのtheyは、患者が示す数値のことで

 

 「どれもこれもすべてめちゃくちゃだ」

 

と言っています。

 つまり、「ほとんどお手上げ状態だ」というわけです。

 mess upは「(部屋など)を散らかす、~を台なしにする」という意味で、自分の部屋に、たとえば、飼い猫などが入ってきて、部屋を荒らされたら

 

 My room is messed up.

 

と言えばいいのです。

 「コロナウィルスのために、商売、あがったりだ」と言いたければ

 

 The new coronavirus is messing up my business.

 

と言えばいいのです。

 「部屋がかなり散らかっている」のなら、名詞のmessや形容詞のmessyを使って、

 

 My room is in a total mess.

 My room is totally messy.

 

と言えます。in a messのinは「状態」を表しますが、省略する人もいます。

 

 もう一つのセリフは、キンブルの言葉で

 

 Just give me some room.

 

です。

 このroomは「余地、場所、空間、スペース」という意味で、部屋のroomと違って、数えられません。だから、冠詞のaや、複数形を示すsが付いていないのです。

 

 make room for

 「~のために場所を空ける」

 leave room for

 「~のための余地を残しておく」

 

という使い方が代表的な表現ですが、

 

 His guilt leaves no room for doubt.

 「彼に罪があることは、疑う余地がない

 

という、比喩的な意味でも使います。

 なお、数えられない名詞は、「一つ、二つ、というように、はっきりと分けること-数えること-ができない」名詞のことです。

 本来なら「一つ、二つ」と数えられないはずですが、

 

具体性がでてきたり、種類を示す

 

ときは、数えられる感覚が出て、aやsを付けたりします。

 

 We have good service.

 

と、「サービスに一つも二つもない」ので、serviceは基本的には数えられません。しかし、

 

 We also have a laundry service.

 「洗濯するサービスも行なっております」

 

と、具体的なサービスの種類を言うときは、数えられる名詞に変化します。これは、「一種類のサービス、二種類のサービス」と、サービスに具体性が出るからです。

 「損害」を意味するdamageも数えられませんが、「損害賠償金」と、具体性が出れば、damagesと言います。

 

 音声付き解説は、後日、youtube「映画と英文法11」で公開予定。

 

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前回の追加

(追加)

He died young.

( He died. + He was young. )

「彼は若くして亡くなった」

 

It is important to venture into the unknown confident at least of our direction.

( you venture into the unknown + you are confident at least of our direction )

少なくとも自分の進む道(方向)に自信を持って、未知の世界に思い切って飛び込んでいくことが大切だ」