教える英文法21ー仮定法の残り
8 It is(was) time S + Ved ~
It is high time you went to bed. 注 highlyではない!
「もうそろそろ寝る時間だ」
It is about time I were(was) leaving.
「もうそろそろおいとまする時間だ」
It is timeの後に仮定法過去がくる
理由-仮定法過去完了はこない理由-を説明する必要があるでしょう。
これは、as ifの《解説》で説明した仮定法の時制の定義をそのまま使えば簡単に説明できます。
こうすることで
It is time ~
を
It was time ~
に変えても~は仮定法過去のままであることの理由も容易に理解できます。
《解説》 略
ⅰ 副詞句
What would you do in my place?
「もし私の立場ならあなたはどうしますか」
Thirty years ago, such a thing would have been inconceivable.
「30年前ならそのようなことは考えられなかっただろう」
ⅱ 主語
A man of sense would not behave like that.
「良識のある人ならそのような振る舞いはしないだろう」
ⅲ to不定詞
To hear him speak English, you would take him for an American.
「彼が英語を話すところを聞けば、アメリカ人だと思うだろう」
You would do better not to get to know him.
「彼に近づかないほうがいいでしょう」
ⅳ otherwise
He ran; otherwise he would have been late.
「彼は走った。さもなければ遅れていただろう」
otherwise = if he had not run
ⅴ 名詞句+and ~
A few more steps and he would have fallen off the cliff.
「もう2,3歩進んでいたら彼は崖から落ちていただろう」
= If he had taken a few more steps, he would …
ⅰからⅴの中で特に説明する必要があるのはⅳのotherwiseでしょう。
仮定法 + otherwise
の形は関係詞の中に頻繁に見られます。そのときotherwiseがどの文を受けて「さもなければ、そうでなければ」と言っているのかは2つのパターンがあります。
まず《一般的説明》で示されている基本的な英文でotherwiseの意味を教えて、関係詞の中で使われる
仮定法 + otherwise
の2つのパターンを、用例を使って説明するのがいいでしょう。
ⅲの2つ目の用例は、1つ目の文を少し発展させた英文ですが、通常受験生が使う参考書では見られない文です。従って、あえて紹介する必要はないでしょう。
《解説》 略
ⅰ I’m so hungry that I could eat a horse.
「お腹がへっているので、馬一頭でも食べられるほどだ」
I can eat a horse.
にすると、「本当に馬一頭を食べることができる」ことになる。実際には食べることができないので仮定法で表現する。
I could eat a horse.
= I’m starving / starved.
ⅱ My work couldn’t be better.
「仕事はこの上なくよい調子だ / 最高の調子だ」
couldn’tと比較級で「この上なく~だ」という意味になる。
ⅰは学習者にとってさほど難しくないでしょうが、時間的余裕があればもう一つ用例を示してあげてもいいでしょう。
ⅱは説明することが不可欠です。説明すればさほど難しい表現ではありませんが、1つの用例で一度だけ説明しても学習者になかなか定着しません。できれば複数の用例を示してあげたほうがいいでしょう。
《解説》 略
ⅰ as it were
= so to speak
「いわば」
He is, as it were, a waking dictionary.
「彼はいわば歩く辞書だ」
この表現の一番の問題点は
as it were
が、どうして
「いわば」
= 「いってみれば、いうならば」
という意味を表すのか、ということです。
ここはきっちりと説明するほうがいいでしょう。
《解説》 略
ⅰ would give anything to ~
「~するためならどんなことでもするだろう」
would have given anything to ~
「~するためならどんなことでもしただろう」
目的を表すto ~に条件があり
「~するためなら」
という意味を表す。
I would give anything to undo the past.
「過ぎ去ったことを取り戻すためなら(もし取り戻せるのなら)、私はどんなことでもするだろう」
to ~に条件があるという点で9のⅲの流れをくむ表現と言えますが、
would give anything
「どんなことでもするだろう」
would have given anything
「どんなことでもしただろう」
とセットで使う一種独特の表現として紹介するほうがいいでしょう。中・上級者向けの表現なので、初学者には触れないほうがいいかもしれません。
仮定法過去完了のケースでは、to以下に
to V ~
to have 過去分詞
の両方の形がきます。
「過去完了なのにどうしてto V ~なのか」という疑問を抱く学習者もいるかもしれませんが、前述のように中・上級者向けの表現なので、質問がない限り触れないほうが無難でしょう。
《解説》 略