映画と英文法6
映画と英文法6
「次回は副詞の働きについて」と、前回のブログでお伝えしましたが、予定していた内容を変えて、先に進みたいと思います。
ストーリーは、回想シーンに入ります。
キンブルは、後に殺害されることになる妻のヘレンと共に、ホテルで行なわれた資金調達のパーティーに参加しています。
場面は、the hotel ballroom(ホテルの舞踏室、パーティールーム)です。
今回は、セリフではなくト書きの部分から、2つの表現を拾い上げます。
ト書きとは、シナリオや戯曲の中の、セリフ以外の部分で、登場人物の動作や行動を示している部分です。
Kimble continues to make his way through the crowd.
ポイントはmake his wayで、「進む」という意味です。
makeの部分を変えることによって、「どんな進み方をする(している)」のかを示します。
push one’s way
「人を押し分けながら強引に進む」
feel one’s way
「手探りで進む」
pick one’s way
慎重に進路を選ぶ(pick)ことから「慎重に/用心して進む」
と、進み方変わってきます。
また、makeをfindやloseに変えると、
find one’s way
「道 / 進路を見つける」から「伝わる」
lose one’s way
「道を見失う」から「道に迷う」(get lost)
という意味になります。
今回の表現
make one’s way through the crowd
「人混みの中を進む」
の、make、the crowdを、それぞれ別の語に変えると
work one’s way through one’s college days.
「働きながら大学時代を進む」ことから「苦学して大学を卒業する」
laugh one’s way through life
「笑って生きる / 暮らす」
となります。
なお、「~を通して」という意味の前置詞ですが、歴史のように、「最初から最後までずっと」という意味を強調するときはoutを付けて
Throughout human history
と表現します。
もう一つ、別の表現を取り上げましょう。
On stage, a female fashion model, dressed in a swimsuit, walks down the runway.
「ステージでは、女性のファッションモデルが、水着を着て、ランウェイ(花道)を歩いてくる」
dressには「人に(服を)着せる」という意味があります。これを受動態にすると
人 be dressed in ~(inは、着用のin)
「人は~を着させられている」
→「人は服を着ている」
となります。
dress oneself in ~なら、「自分に~を着せる」だから「~を着る」という意味になります。
dressed in ~は、前回“映画と英文法5”で取り上げた分詞構文です。そのときもお話ししたように、受動態の分詞構文はbeingを省略して過去分詞から始めます。
Seated in the armchair, he was fast asleep.
「肘掛け椅子に座りながら、彼はぐっすり眠っていた」
Located (Situated) on a hill, his house has a fine view.
「彼の家は丘の上にあるので、見晴らしがいい」
→ be located(situated)「位置している」は、一般的によく使われる表現というわけではありませんが、大学受験生にとってはお馴染みの表現ですね。
本文のシナリオは、スクリーンプレイ出版(株)の「スクリーンプレイ・シリーズ」を参照しました。
音声解説は、youtube“映画と英文法”の6で公開中