英語の散歩道(~になる)

「英語の散歩道」というタイトルでブログを書き出して3年以上になりますが、諸々の事情で「このへんでいったんペンをおこうか」と考えていました。

 しかし、ここ2年ほど、複数の同僚からの質問も増え、頭を整理する意味でもブログを続けるのも意義があるかな、と思い直し、ペースダウンしてでも続けといこうかとも考え直しました。

 ただ、投稿の間はかなりあくかもしれませんし、ひょっとすれば、ペンをおくことになるかもしれません。それまで付き合っていただければ、と思います。

 以下、「~になる」という表現について、同僚からの質問に答えて送ったメールです。

 

 

「~になる」

「~になる」といっても、いくつもの語が使われていますよね。

 

 become、get、grow、fall、turn、go、come、runなど

 

 まずは、ジーニアス英和辞典から見ていきましょう(記述・表現の仕方は一部変えています)。

 

ア Cは名詞、形容詞、過去分詞

イ getより堅い語

ウ 現在形で使うのはまれ

 

1 He became(× got) a king / a teacher.

   Cが名詞の場合getは不可

2 She became(got) sick / wiser.

3 She became(× got) famous.

   この例文に関して、get(自動詞)の項目に「一時的な状態を表す場合のみに用いられ、永続的な状態を表す形容詞・過去分詞と用いられるのは不可」と説明し、

  She became(× got) tall / famous / pretty.

  という例文を載せています。

4 The truth will never become known to them.

   この例文に関して、「純然たる受け身の場合は、becomeは不可」と説明し、

   He was(got、×became) killed.

   という例文を載せています。

5 I want to become(be) a teacher.

   この例文に関して、「これから~になる」という意味ではbeと交換可」と説明しています。

  5に関してですが、言い換えれば、「すでに先生になっている」場合は、becomeは不可ということになります。

  例えば、

  「彼は成長し、りっぱな先生になった」

  を英語にした場合、

  He’s grown up to be a good teacher.

  (副詞的用法・結果のto)

  とは表現しても

  He’s grown up to become a good teacher.

  とは言わない、ということになります。

  これは当然のことで、「彼は成長して、すでにいい先生になっている」わけで、「これからいい先生になる」わけではないですから。

  (なお、

  grow to be

  と表現すると、

  get to be ~「~になる」

  と同じ意味になります。

  grow up to be ~

  と表現しないと、「成長して~になる」とはなりません-釈迦に説法でしたね。失礼!)

  話を戻しますが、

  「彼はいい先生になるために一生懸命勉強した」

  なら、「これからいい先生になる」わけですから、

  He studied hard in order to be a good teacher.

  He studied hard in order to become a good teacher.

  のどちらでもいい、ということになります。

 

 次に、getに関するジーニアス英和辞典の例文、解説を見てみましょう。

ア becomeより口語的。

イ Cは形容詞・形容詞化した過去分詞。名詞は不可。

ウ 一時的な状態を表す形容詞・過去分詞のみに用いられ、永続的な状態を示す形容詞・過去分詞と用いるのは不可。

  ただし、進行形では可能。

  × She got tall.

○ She is getting tall.「彼女は背が伸びている」

 ウの説明箇所で、「進行形では可能」というのはよくわかりますよね。「状態にだんだん変化が現れている」ことを進行で表現することはできるわけですから。

 例えば、resembleが「今、誰々に似ている」というときは

 ○ She resembles her mother.

 × She is resemble her mother.

ですが、「彼女はお母さんにだんだん似てきた」なら、

○  She is resembling her mother.

ですから。

 

 この段階で2点、疑問が生じませんか?

 まず、getの解説イの「Cは形容詞化した過去分詞」という箇所です。

 たしか、becomeの例文4で、「純然たる受け身の場合は、becomeは不可」と説明し、

   He was(got、×became) killed.

という例文を載せていました。

 つまり、tired、interestedのように形容詞化した過去分詞でもgetなら使えることになります。ところが、getのイでは「Cは形容詞化した過去分詞」と限定しているのです。killedが形容詞化していない過去分詞であることは明白です。

 これはどういうことでしょうか。

 この点を明らかにするために、今度は「研究社新英和大辞典」のgetの項目を見ると、

「受け身には、通例動作主を表すby句は用いられず」という解説があり-同じ内容はジーニアス英和辞典でも書かれています-、

 hurt、caught、stuck、drownedなどの語と共にkilledも掲載されていました-なお、過去分詞をどの段階で形容詞と考えるのか、恣意的な面もあります。

 例えば、caughtやstuckなどは

 I got caught in a shower and (got) drenched / soaked.

 「土砂降りにあって、ずぶ濡れにあった」

 I got(was) caught in a traffic jam.

 「渋滞にあった」

 I got stuck in traffic congestion.

 「渋滞にあった」

 などの表現でお馴染みですよね。

 

 つまり、byを使って、「~によって」と、受動態の意味合いが強く出た場合は、becomeは当然として、getも不可ということになります。

 

○  He was(got) killed in the traffic accident.

 × He was(× got) killed by them.

 

 なお、強い目的意識が働けば、逆にbe動詞は不可になります。

 

 He got(× was) arrested to prove her innocence.

 「彼は彼女の無罪を立証するためあえて逮捕された」

 (ジーニアス英和辞典の用例より)

 

 これは当然のことで、was arrestedは完全な受動態です。受動態は別名「受け身」と呼ばれています。自分の意志で「~される」のはもはや「受け身」ではありませんから。

 

 ところで、その他いくつかの問題もあります。

 一般に、「~である」という「状態」を表すbeを「~の状態になる」という意味にするにはbeをbecomeにする、と学習します。

 例えば、

 be able to ~

 「~できる」

を、「~できるようになる」という意味にしたければbecome able toにする、と聞いた人もいるでしょう。

 

 「彼は英語を話せる」

 He is able to speak English.

 

を、「彼は英語を話せるようになった」という意味にしたければ

 

 He has become able to speak English.

 

と表現すればいいことになります。

 実際、大学受験の英作の解答例として上述の英訳例が載っていたりしました(します?)。

 しかし、この英語はしばしば「日本人的発想の英語」という指摘も受けました。

 自然な英語は、

 

 He’s(He has) learned to speak English.

 

であることは周知のことですよね。

 ただ、用例は少ないが、become able toが使われているときもあります。ここから言えることは、become able toという表現そのものが問題であるというより、「英語を話せるようになった」にbecome able toを使ったことが問題なのでしょう。

 

 He has become able to speak English.

 

という表現自体は問題ないと思うのですが、「英語を話せるようになった」は「いろいろ学んで英語を話せるようになった」という意識が働くので、

 

 He’s(He has) learned to speak English.

 

と表現するのが自然だと、ということになるのでしょう。

 

 さて、getのウで「一時的な状態を表す形容詞・過去分詞のみに用いられ、永続的な状態を示す形容詞・過去分詞と用いるのは不可」とあり、

 

 She got famous.

 

は×ということになりました。

 では、「年をとる」はどうでしょう。

 「年をとる」のも一時的な状態ではなく、いったん年をとると永続的に続きます。

 研究社新英和大辞典の用例

 

 He is getting old.

 「年をとってきた」

 

は、進行形にしているので、「だんだん年をとってきた」という意味になり問題はないでしょう。

 しかし、オックスフォード現代英語用法辞典の用例

 

 When you get old your memory gets worse.

 「年をとると記憶力が鈍る」

 

は、進行形にしていません。

 おそらく、oldに関しては「年齢の変化」があるのでgetでも表現することが可能なのでしょう。たしかに、tallやfamousも、身長や有名度には変化があります。しかし、「背が高いか低いか」「有名か無名か」と違って、oldは「50歳、60歳、70歳」と変化していく感覚があります。そう考えると、

 

 get old(grow oldも可)

 

が使われることには問題がないのでしょう。

 ちなみに、「年をとる」を言うとき、

 

 「白髪になる」はgo grey

 

とは言っても

 

 get grey

 

とは言いません。

 逆に、

 

 get(grow) old

 

とは言っても

 

 go old

 

とは言いません。

 「色(色彩)」を表現するときにはgo(文語体ではturn)が使われgetは使いません(オックスフォード現代英語用法辞典より)。

 go C「Cになる」のCには「好ましくない」意味の語がくることは、いくつかの辞書にも掲載されて、結構有名な知識ですね。

 逆に、「好ましい状態になる」ときにcomeが使われますが、goとcomeの関係を考えると面白いですよね。

 

 My dream has come true.

 「私の夢がかなった」

 It’ll all come right in the end.

 「最後にはすべてうまくいくでしょう」

 (Everything will turn out all right.)

 

 少々長くなったので、今回はこのあたりで終えます。この続きはまた機会があれば、ということで。

 


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英語の散歩道(節とwillの関係)

諸々の事情で、ブログを書くのは約10か月ぶりです。

みなさん、お元気でしょうか。

 

同僚で、某大手予備校講師の人からよく質問を受けることがあります。

なかなか面白い質問で、僕自身も勉強になります。

先日も、

 

「この英文で使われているwhether ~は名詞節か副詞節かのどちらでしょうか。名詞節のようにも思われるのですが、

未来の内容にもかかわらずwillが使われていないのです。また、辞書によっても意見が分かれていて・・・」

 

という質問を受けました。

英語に通じている人なら当たり前の知識ですが、

 

“時や条件を表す副詞節の中では、未来の内容であってもwillを使わないー例外的なケースもあります。名詞節の中なら、未来の内容ならwillを使って表現する”

 

という原則がありますね。

 例えば、

 

  I don't know whether he will come.

 「彼が来るかどうかわからない」

 

という場合、whether ~はknowの目的語になっていて、名詞節だから当然will comeと表現しています。

 ところが、careやmatterなどの動詞の後に続く場合はこの原則通りに表現されないのです。

 

 以下、僕が同僚に送ったメールです。

 

1 ある文におけるwhetherは名詞節か副詞節か

 2 whetherの中にwillを入れるべきかどうか

 

という2点の疑問についてですが、これは論点がまったく別で、

 

 It matters littleI don’t careなどの表現の後に続くのは名詞節か副詞節か

 

という問題に置き換えるべきだと考えられます。

 この問題に答える前に2つの文法事項(構文)について確認しておきましょう。

 

 1 他動詞の後には目的語がきて、従って、該当する語句やフレーズは名詞(名詞節)と考えるのが普通である。

 2 基本的には、未来の内容なら、名詞節の中にはwillを入れ、副詞節の中には-例外的な一部のケースを除いて-willを入れないのが原則である。

 

 研究者新大英和辞典の例文より

 

1 I wonder whether he will go himself or send you.

 

2 I don’t know whether he will be here.

 

3 It is doubtful(uncertain) whether he will come.

 

 以上、いずれも未来の内容の名詞節

 

4 Whether he comes or not, the result will be the same.

 

5 Whether we help or not, the enterprise will fail.

 

 以上、副詞節(譲歩節)

 

 ここまでは原則通りですね。

 しかし、この原則が、It mattersやI don’t careの後では違ってきます。それは、whetherに限ったことではありません。

 以下、ジーニアス英和辞典の用例より。

 

6 (自動詞としてのcare)

  I don’t care whether he leaves or stay.

 

 本来ならcareの後のwhether ~を目的語として捉え、名詞節であるが故にwill leave ~となるところ。

 

7 (他動詞としてのcare)

  Who cares when she marries(× will marry)?

 

 6のケースと違って、他動詞としてcareを定義付けしているにもかかわらず、名詞節(疑問詞節)のwhenの中のwillの使用を否定している。

 なお、6を自動詞のcare、7を他動詞としてのcareと分けた理由は不明である。

 この点、研究社新英和大辞典は割り切って両方のケースのcareを自動詞扱いしているが、そのほうがすっきりしているように感じます。

 以下、研究社新英和大辞典の用例より。

 

8 I don’t care if I go.

 

9 I don’t care what happens now.

 

 9のwhat ~は疑問詞節なので名詞節(careの目的語)のはずであるが、willを使っていない。

 

 matterにいたっては、さらに、原則通りに解釈できない。

 

 以下、ジーニアス英和辞典の用例より。

 

10 It matters little if(whether) he succeeds or not.

  (if / whether節の中にはwill、wouldは用いない)

 

 whetherはともかく、ifはor notを用いている以上完全に名詞節だと考えられるが、×will、wouldなのである。

 

11 It doesn't matter to(with) me whether she comes here or not.

 

 以下、研究社新英和大辞典の用例より。

 

12 It doesn’t matter whether we are late.

 

 なお。英々辞典の用例では、

 OALDは、careを自動詞と定義して

 

13 He doesn’t care much (about) what happens to me.

 

14 He doesn’t care what they say.

 

 ただ、上の2例は、未来や現在に関係なく「いつも気にしない」と考えることもできます。

 

15 It doesn't matter to me what you do or where you go.

 

 オックスフォード現代英語用法辞典には

「現在時制はIt doesn’t matter、I don’t care、I don’t mind、It’s not important、No matter where、Whereverおよび類似の表現の後でも用いられる」

 

という解説の後に、

 

16 It doesn’t matter where we go on holiday.

 

17 I don’t care what we have for dinner if I don’t have to cook it.

 

という用例を載せています。

 もっとも、この2例も「未来」というより「いつも気にしない」というニュアンスが読み取れます。

 おそらく、未来という意識はなく、この「いつも気にしない、重要ではない」という意識が

 

It doesn’t matterI don’t careI don’t mindIt’s not importantNo matter whereWhereverおよび類似の表現の後では現在時制が用いられている

 

理由ではないかと思われます。

 なお、オックスフォード現代英語用法辞典の“whether ~ or not”の説明の箇所に

 “whether ~ or notの節は文につけ加えられることがある。その意味はIt doesn’t matter whether ~ or not「~であろうとなかろうとかまわないが」で始まる新しい文と似ている”

 

という記述がありました。

 これは、元々あった文

 

 I don’t care.

 It doesn’t matter.

 

に、副詞節

 

 whether ~ or not

 「~であろうとなかろうと」

 

を加えたものと解釈できます。

 いずれにせよ、

 

 I don’t careIt doesn’t matterI don’t mindIt’s not importantOALDCODmatterbe of importanceと定義している)などの表現の後に節を続けた文は、未来という意識ではなく、「いつでも気にしない、どうでもいいことだ」という意識が働き、現在時制で表現するのが基本である。このとき、例えば、whether or notを「~かどうか」と名詞節として訳そうが、「~であろうとなかろうと」と副詞節として訳そうが、どちらも言っていることは同じであり、それは日本語の問題であって大した問題ではない

 

ということになります。


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映画と英文法15ーhaveとhave got

映画と英文法15-haveとhave got

 

刑事:Your wife, she’s, she’s got the money in the family, doesn’t she?

 

 今回は、haveとhave gotを取り上げますが、あまり意味のある検討材料ではありません。

 

 今回の映画「逃亡者」は、アメリカ映画なので、アメリカ英語-以下、米語-を中心にして話すと、イギリス英語-以下、英語-よりは若干単純で、基本的にはhaveで表現できます。

 

 所有(物、事、親類や兄弟のような人、病気、問題など)は、英米問わず、haveで表現できます。

 今回のように、くだけた話し言葉(会話)では、英米ともに、haveの代わりにhave gotを使うこともよく見られることです。

 

 I have a brother.

 I’ve got a brother.

 

 I have a 1960-model classic car.

 I’ve got a 1960-model classic car.

 

 I have a problem.

 I’ve got a problem.

 

 I have a headache.

 I’ve got a headache.

 

 I have an appointment with Mr. White at 10 a.m.

 I’ve got an appointment with Mr. White at 10 a.m.

 

 米語では、さらにくだけて、haveを省略し、

 

 I’ve got a problem.「問題を抱えている」

 I got a problem.

 

と、表現することもあります。

 

 ただし、過去形で用いたり、準動詞(不定詞・動名詞・分詞)で用いたりすることはないので注意しましょう-すくなくとも、正用法とは認められないでしょう。

 

○ I had flu last week.「先週、インフルエンザに罹っていた」

× I had got flu last week.

 

○ He seems to have a brother.

 × He seems to have got a brother.

 

 さらに、反復・習慣の気持ちが入れば、have gotは使わないので、注意しましょう。

 

 I don’t usually have wine.

「普段から、ワインは置いていないんだ」

 →「普段、ワインは飲まないんだ」

 I haven’t got any wine.

 = I don’t have any wine.

 「ワインがまったくない」

  →「ワインが切れたから、買いにいかなければ」

 

 I often have headache.

 「普段からよく頭痛がするんだ」

 I’ve got headache.

 「今、頭が痛くなってきた(頭が痛い)」

 I have headache.

 「今、頭が痛い」

 

 反復・習慣の気持ちが入れば、have gotは使わないが、「今、~」というときは、どちらも使います。

 

 どちらを使うべきか、なんてことは意識せずに、基本的には、haveを使えばいいのです。実際の会話の場面で、「こんな場面は、have gotも使うんだ」という感覚を少しずつ身に付けていけばいいでしょう。

 

 これは、have toとhave got toにも同じようなことが言えます。

 

 「反復、習慣」はhave to、1つのことについて述べるのはhave got toを使うことが多いが-特に、くだけた英語では-、have toも用います。

 「緊急性」を伴った場合でも、have got toがよく用いられるが、have toも用いられます。

 このことは、OALD(Oxford Advanced Learner’s of Current English)の用例でも裏付けられます。

 

 Do you often have to go to the dentist’s?

→ 反復・習慣

 Have you (got) to go to the dentist’s today?

 → 1つの事柄(今日一回の事柄)で、ひょっとすれば、緊急性もあるかもしれないが、gotは括弧でくくられている。つまり、have toでもいいということになる。

 

 The children don’t have to go to school on Sundays, do they?

→ 反復・習慣

 You haven’t (got) to go to school today, have you?

 → 1つの事柄(今日一回の事柄)だが、gotは括弧でくくられている。つまり、have toでもいいということになる。

 

 I have to be getting along(= must leave) now.

 「そろそろおいとましなければ」

 → 緊急性が出ているが、have toが使われている。

 

 

 なお、くだけた英語では、特に、1つのことがら、あるいは、緊急性があるときにhave got toを使われます-繰り返すが、have toでもよい。

 

 「もう、行かなきゃ」

 I have to go now.

 I’ve got to go now.

 

 米語では、さらにくだけて、haveを省略し、

 

 I got to go now.

 

 これを発音つづりで表現すると、

 

 ( I ) gotta go.

 

となります。

 

 

 ところで、今回のセリフでは、moneyにtheが付いています。

 通常、「特定の目的を示すお金」で、moneyにtheを付けたりしますが、基本的には、moneyにtheを付けません。

 moneyにthe(あるいは、one’s)を付けると、

 

 money = a lot of money、plenty of money

 

という意味になるのです。

 辞書の定義を見てみましょう。

 

 (ジーニアス英和辞典)

 「富、財産、資産」と定義して、

   lose one’s money「財産を失う」という例文を載せています。

 さらに、

  be in the money「大金持ちである(になる)」

 という慣用句を載せています。

 

 (COD)の定義

  in the money = having plenty of money

 

 (OALD)の定義

  be in the money = be rich

 

 以上の定義より、

 

 be in the money

  have the money

  have got the money

  = have plenty of money、be rich

 

となるわけです。

 このinは「状態、状況」を表すinで、「~に包まれている」という感覚で捉えればいいでしょう。

 

 be in the habit of ~ing = have the(a) habit of ~ing

 be in good health = have good health

 

と同じです。

 今回のセリフでは、「奥さん自身だけが金持ち」というより、in the familyが付いているので、

 

 is in the money

 

ではなく

 

 has(has got) the money

 

で表現したのです。

 

 ちなみに、研究社新英和大辞典では、

 

 in the money「金持ちで」(口語

 

と、(口語)という条件で定義していますが、

 OALDでも

 (colloq)と条件付けています-colloqとはcolloquialism「口語体」の略語です。「会話(会話体、会話調)の英語」を、colloquial Englishと言いますが、それのことです。

 

youtu.be

 

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映画と英文法14ーHow dare you?

映画と英文法14

 

刑事  :Your wife, she’s, she’s got the money in the family, doesn’t she?

キンブル:Helen comes from a wealthy family. Yes.

刑事  :Is she insured?

キンブル:Yes, she is.

刑事  :Who’s the beneficiary?

キンブル:I am.

刑事  :The sole beneficiary?

キンブル:Yes.

刑事  :Financially, you’re not going to be hurting after this then, are you? I mean, she was worth quite a bit of money.

キンブル:You suggesting that I killed my wife? Are you saying that I crushed her skull, and that I shot her? How dare you?

 

 キンブルの最後のセリフを取り上げます。

 

Are you saying that I crushed her skull, and that I shot her? How dare you?

 「私が、彼女の頭を打ち砕いて、彼女を銃で撃ったと、言っているのか?よくもそんなことが言えるな」

 

 How dare ~ ?

 

は、「よくも~できるね」という意味の重要表現です。

 キンブルのセリフは、

 

 How dare you say so?

 

の下線部の部分が省略された文です。

 動詞以下(~の部分)が省略されて、

 

 How dare you?

 

だけで、怒りの感情や苛立つ気持ちを出すときに使うときもあります。

 たとえば、

 

 How dare you say something like that? Don’t stick your nose into my affairs!

 「よくもまあそんなことが言えるね。私の事に口を挟まないでくれ!」

 

の、下線部を省略して、

 

 How dare you? Don’t stick your nose into my affairs!

 「よくもまあ。私の事に口を挟まないでくれ!」

 

 別の訳をすれば、

 

 「黙れ。私の事に首を突っ込むな!」

 

と、なります。

 「首を突っ込むな」は、他の表現として、

 

 Don’t poke your head(nose) into my affairs.

 Mind your own business. 「余計なお世話だ」

 Go about your own business.

 It’s none of your business.

 That’s my affairs.

 

などがあります。

 


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映画と英文法13ー付加疑問

映画と英文法13

 

 キンドルが、刑事から尋問を受けているシーンです。

 

刑事  :Your wife, she’s, she’s got the money in the family, doesn’t she?

キンブル:Helen comes from a wealthy family. Yes.

刑事  :Is she insured?

キンブル:Yes, she is.

刑事  :Who’s the beneficiary?

キンブル:I am.

刑事  :The sole beneficiary?

キンブル:Yes.

刑事  :Financially, you’re not going to be hurting after this then, are you? I mean, she was worth quite a bit of money.

キンブル:You suggesting that I killed my wife? Are you saying that I crushed her skull, and that I shot her? How dare you?

 

「映画と英文法12」の続きです。

 

 今回は、有名な付加疑問を取り上げます。

 同意を求めたり、確認するためであったり、念を押したりするために用いる疑問文で、代表的な形は単純です。

 肯定文に対しては否定形、否定文(準否定文も含めて)に対しては肯定形で受けます。

 

 1 He is a doctor, isn’t he?

   「彼は医者ですよね」

 

 2 He isn’t a doctor,

   「彼は医者ではないですよね」

 

 3 This custom doesn’t agree with you, does it?

   「あなたは、ここの習慣になじめないのですね」

 

 4 He won the game, didn’t he?

   「彼は試合に勝ったんでしょ」

 

 5 He can swim, can’t he?

   「彼は泳げますよね」

 

 6 He has already gone, hasn’t he?

   「彼はもう出かけましたよね」

 

という具合です。

 今回扱ったセリフ

 

Your wife, she’s, she’s got the money in the family, doesn’t she?

 

では、has gotはhasと同じ意味で使っているので、一般動詞扱いをして、doesn’t sheで受けています-なお、have(has)は、助動詞扱いをしてhaven’t(hasn’t)で受ける場合もあります。

 ただ、今回のセリフで、hasで受けてしまうと、通常の現在完了となり、has got = hasの関係でなくなってしまいます。それゆえ、当然、doesn’tで受けることになります。

 

 準否定と呼ばれる、seldom、rarely、few、littleなどは、否定とみなして肯定形で受けます。

 

 7 She seldom eats out, does she?

  「彼女はめったに外食しないですよね」

 

 8 There were few tourists in the temple grounds, were there?

  「お寺の境内で、観光客の姿はほとんど見かけなかったですよね」

  → there構文におけるthereは主語ではないが、付加疑問はthereで受け る

 

 9 I’m late, aren’t I?

  「私は遅刻ですよね」

 → I amは、aren’t Iで受けることが一般的。am I notで受けることはまれである。

 

 10 Sit down, will you?

   「座ってもらえる?」

   → 命令文は、will you、would you、won’t you、can you、can’t you、could youなどで受ける

 

 11 Sit down, would you?

   「座ってもらえますか?」

   → will youと違って、would youにすると、仮定法の婉曲を使ったぶんだけ少し丁寧になる。

 

12 Sit down, won’t you?

  「どうかお座りください」

  → will youやwould youが命令しているのに対して、won’t youは相手に行為をすすめる気持ちに近くなる。なお、否定の命令文は、当然、won’t youではなくwill youで受ける。

   Let’sの命令文はshall weで受けるが、Let me ~は通常の命令文と同じ扱いである。

 

 13 Nothing can stop me, can it?

   「何ものも僕を止めることはできないぞ」

   → nothingはitで受ける

 

 14 Someone called me, didn’t they?

   「誰かが僕を呼んだよね」

   → someone(somebody)、everyone(everybody)、nobodyは単数扱いだが、代名詞は通常theyで受ける

 

 こうして整理すると、付加疑問にもいくつかのパターンがあることがわかります。

 発音(読み方)として、上昇調で発音すれば、普通の疑問文に近くなり、下降調で発音すれば平叙文に近い印象を相手に与えます。

 

 さて、否定の付加疑問ですが、一見、否定の疑問文に近い日本語訳になりますが、相手に当たる印象はずいぶんと違います。

 例えば、

 

 You don’t have a pen, do you?

 

と言うと、

 

 「ペンをお持ちじゃないですよね。もしペンをお持ちなら、貸してほしいのですが」

 

という意味になります。

 日本語でも、自分がペンを持っていなくて、相手にペンを借りたいときに

 

 「ペンを持っていますか?」

 

とズバリと訊くとぶしつけな感じがして、

 

 「ペンをお持ちじゃないですよね」

 

と、遠慮がちに訊くときがあります。

 それに当たる英語です。

 それに対して、

 

 Don’t you have a pen?

 

と言うと、

 

 「あなた、ペンを持っていないの?」

 

と、驚き、あるいは、非難とも取れる印象を相手に与えます。

 もちろんこれは失礼になってしまうので、丁寧に、少し遠慮がちに頼むのであれば、

 

 You don’t have a pen, do you?

 You couldn’t lend me a pen, I suppose?

 

と表現することになります。

 

 ところで、そもそも付加疑問はどうして、

 

 肯定文は否定形で、否定文は肯定形で

 

受けるのでしょうか。

 たとえば、

 

 「彼は医者ですよね」

 

は、

 

 「彼は医者だ、えっ、医者ではないのですか?医者だよね」

 

の下線部の部分が付加疑問になっているのです。

 「医者ではないのですか?医者だよね」と、反対の意味の疑問を続けることによって、確認、念押しをしているようなものです。

 

 否定の場合も同じで、

 

 「彼は医者ではない。えっ、医者なの?医者じゃないよね」

 

という具合です。

 もし後半部分(下線部の部分)を同形(肯定文に対して肯定形、否定文に対して否定形)で続ければ、どうなるでしょうか。

 ここで2人の人間の会話を考えましょう。

 

 A:彼は医者だ。

 B:彼は医者なの?それは意外(驚き)だ。

 

 英語にすると、

 

 A:He’s a doctor.

 B:Is he? It’s surprising.

 

 下線部の部分をひとりの人間が言ったとしましょう。

 

 He’s a doctor, is he?

 

 もちろん、そのセリフの後には、

 

 「それは意外(驚き)だ」( That’s surprising )

 

という気持ちが続くでしょう。

 同形の付加疑問は、興味、驚き、場合によっては、非難の気持ちが込められる所以です。

 

 A:I hear he’s getting married.

 B:Is he? What does his fiancé(wife-to-be) look like?

 

 A:彼、いよいよ、結婚するそうだよ。

 B:そうなの?相手はどんな人だろう?

 

 下線部をくっつけると、

 

 I hear he’s getting married, is he?

 「彼、いよいよ、結婚するんだってね(相手は、どんな人だろう)」

 

という、興味津々という気持ちが込められています。

 

 このように、同形の付加疑問が存在するいじょう、

 

 He’s a doctor, (    ) he?

 ア is  イ isn’t

 

で、「アかイか、正しいほうを選べ」という文法問題は成立しないですね。

 

 たかが付加疑問、という気持ちで書き始めましたが、されど付加疑問でした。

 少々疲れたので、このへんでペンを置く、いえ、キーボードを叩くのを止めます。

 

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映画と英文法12ーworthの用法

映画と英文法12

 

 キンドルが、刑事から尋問を受けているシーンです。

 

刑事  :Your wife, she’s, she’s got the money in the family, doesn’t she?

キンブル:Helen comes from a wealthy family. Yes.

刑事  :Is she insured?

キンブル:Yes, she is.

刑事  :Who’s the beneficiary?

キンブル:I am.

刑事  :The sole beneficiary?

キンブル:Yes.

刑事  :Financially, you’re not going to be hurting after this then, are you? I mean, she was worth quite a bit of money.

キンブル:You suggesting that I killed my wife? Are you saying that I crushed her skull, and that I shot her? How dare you?

 

 worthは

 

 A is(are) worth B.

 「AはBの価値がある」

 

という意味なので、

 

 A = B AとBの価値が同じ

 

ということになります。

 刑事のセリフ

 

she was worth quite a bit of money.

 

から、刑事は

 

 she = quite a bit of money.

 

と、考えているのです。

 つまり、

 

 「彼女(殺害された、キンブルの妻)には、多額の保険が掛けられているので、彼女が亡くなれば相当なお金になる存在だった」

 

というわけです。

 worthと言えば、大学受験界では、

 

 worth ~ing

 「~する価値がある」

 

で、お馴染みの表現です。

 しかし、あまりにも有名過ぎた結果、worth ~ingという表現が一人歩きして、

 

 「worthの後には、~ingがくるのが一般的だ」

 

と、思い込んでいる人が結構いるかもしれません。

 しかし、名詞で表現できれば名詞を使い、名詞では表現しきれないときに動名詞が登場するわけです。

 「その美術館は訪れる価値がある」は、もちろん、

 

 The art museum is worth visiting.

 

でもいいわけですが、

 

 The art museum is worth a visit.

 「その美術館は、一度は訪れる価値がある」

 

と言えばいいのです。

 つまり、

 

 the art museum = a visit

 

というわけです。

 worthに関連した語も同様で、

 

 His works are worthy of being admired.

 

でもいいのですが、

 

 His works are worthy of admiration.

 「彼の作品は、賞賛に値する」

 

と表現するのが一般的です。

 deserveにいたっては、

 

 His works deserves admiring.

 

ではなく、

 

 His works deserves admiration.

 

と、「名詞で表現できるのなら、名詞を使うべきだ」という人もいます。

 

 以上の表現以外にも、worth ~ingには、有名な書き換え表現があります。

 

 The art museum is worth visiting.

 = It worth while to visit the art museum.(*)

 

 このwhileは「時間」という意味、Itはto ~を受ける形式主語で、

 

 「この美術館を訪れることは、時間をかける価値がある」

 

という意味になります。

 しかし、若干の修正が必要になります。

 まず、whileは、正確には、

 

 a while = some time

 

なのです。

 つまり、whileの前にaがついているのです。

 (*)の表現はこの部分が抜けているのです。

 このケースでは、

 

 「この美術館を訪れることは、あなたの時間をかけるだけの価値がある」

 

と言っているので、whileの前にyourを付ける必要があります。

 to visitをvisitingで言い換えても同じ意味になりますが、動名詞の場合は、worthとwhileを付けて、

 

 It is worthwhile visiting the art museum.

 

と表現し、さらに、whileを省略して、

 

 It is worth visiting the art museum.

 

と表現するのがより一般的なようです。

 


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英語の散歩道ーフルハウス

 ご存じの方も多いかと思いますが、アメリカのコメディードラマ「フルハウス」で、子供たちを愛する父親ダニー・タナー役を演じたボブ・サゲットさんが亡くなりました。

 享年65歳。まだまだやりたいことはいっぱいあったと思います。

 ダニー(ボブ・サゲット)が娘たちと接するときに見せる、語りかけるような優しい目は、今でも鮮明に覚えています。

 ボブ・サゲットさんと、他の出演者たちとの軽妙なコミュニケーションのやりとりは、英語の勉強にずいぶんと役立ちました。ビデオやCDを何度も聴き、次に何を言うのか、分かるほどです。

 しばらく本棚に眠っていたCDを見ながら、自分なりのやり方で、ご冥福を祈りたいと思います。