英語の散歩道4ー心に染み入る音色
久しぶりに横山玲奈さんの動画を見ました。
以下の文は、以前に書いたブログ記事です。
心に染み入る音色
夕暮れ時、ひときわ目立つ鐘楼の上から悲しいほど美しいバイオリンの音色がレンガ造りの街並みに響き渡ります。
ひっそりと静まりかえった街の中で、まるで鳥たちだけがバイオリンの調べに応えるかのように飛び立ちます。
もうおわかりですね。
大阪・箕面市出身のバイオリニスト横山令奈さんです。
彼女は、イタリアのクレモナで、バイオリンの演奏で医療関係者や街の人々の心を癒やし続けています。
今は、医療従事者によく聞こえるように、病院の建物の屋上でバイオリンを演奏しているようです。
演奏が始まると、ある者は立ち止まり、ある者は病院の窓から身を乗り出し、まるで時が止まったかのように、じっと彼女のバイオリンに聞き入ります。彼女が奏でる美しい音色が疲れ切った人たちの心の中に染み入り、彼らの心に静けさ(peace and quiet)を与えてくれます。
ドイツのメルケル首相が言ったように、「芸術は生命維持に不可欠」ですね。
上述の最後の4行の英語表現―個別の語句のみ。
・窓から身を乗り出す:lean out of the window
・身を乗り出して~に耳を傾ける:lean forward to listen to ~
・バイオリンの美しい音色:the beautiful tone of the violin
・バイオリンで曲を奏でる:play the tune on the violin onは「手段」を表す
・時が止まったかのようだ:Time seems to have stood still.
I feel as if time had stood still.
stand stillは「静止している/じっとしている」という意味で
Japanese economy is at a standstill.
「日本経済は停滞している」
という表現もできます。
・彼らの心に染み入る:touch their hearts / go right to their hearts
・心の静けさ:peace and quiet
・音楽は私のこの悲しみいやしてくれる:Music heels this sorrow of mine.
・彼女の歌声が私の心をいやしてくれる:Her voice soothes me.
sootheの目的語は、OALDの
make (a person、his nerves、…) quiet or calm
定義からわかるように「人」もきます。
・~に不可欠である: is vital to(for) ~
is essential to(for) ~
is indispensable to(for) ~
などがあります。
不可欠の度合いは、vitalが最も高く、essentialも比較的高くてvitalに近い、indispensableがこの中では一番低い(ゆるやか)という印象を受けます。
vitalのそれぞれの辞書の定義をみてみると
OALDとRHCDは
necessary for/indispensable(OALD)
necessary to the existence(RHCD)
と定義していますが、
CODやPODの定義付け
essential to the existence of a thing
に近い感覚で使われているように思えます。
実際、necessaryだけではものたらなければ
is(are) vitally necessary to ~
is(are) essentially necessary to ~
という表現をする人もいるぐらいですから。
横山令奈さんが奏でるバイオリンの音色が、どうして医療関係者だけでなく多くの人たちの心に響くのか。
Why would the graceful tone of her violin appeal to so many people, not only people engaged in medical practice?
彼女が奏でる音色は疲れた人たちの傍にそっと寄り添い、静かにそして優しく語りかけてくれるからではないでしょうか。
That’d be probably because it sits gently at(by) their sides, talking softly and gracefully to them.
そんな気がします。