映画と英文法10
映画と英文法(逃亡者)10-補語の合体
今回は、妻のヘレンが夫のキンブルに残した最後のセリフから
I’ll wait up for you.
「起きて待っているわ」
「~を待つ」は
wait for ~
です。
一方、「起きている」は
be up
です。
このbe up「起きている」は英語学習者にとってなかなかのクセモノです。
というのは、「起きる」は
get up
と知っていても、「起きている」が浮かばないからです。これは、英語学習を始めたときに、意味なくget up「起きる」を教えられるからだと思います-英語を体系的に学習していない者でもget up「起きる」を知っているかもしれません。
「疲れている」は
be tired
です。
「結婚している」は
be married
です。
「興味を持っている」は
be interested
です。
これらの表現をそれぞれ「疲れる」「結婚する」「興味を持つ」に変えたいとき、beをgetにして
get tired
「疲れる」
get married
「結婚する」
get interested
と表現するはずです。
他の場合も同様で、
beをgetに変えることによって、「~している」が「~する」
になります。
従って、
be up
「起きている」
という表現のbeをgetにして
get up
にすると、「起きる」になります。
他の表現、たとえば、「疲れている」はbe tiredと習った後、beをgetに変えることによって「疲れる」になる、と学ぶわけです。
それが、「起きている」に関しては、先にget up「起きる」を覚えたので、他の表現とは逆の行程-getをbeに変えることによって、「起きる」が「起きている」になる思考-が浮かばないのです。
もちろん、get up「起きる」を早い段階で学ぶことに異論はありませんが、本来の学習行程-「~している」( be ~ )を「~する」( get ~ )にする行程-とは逆なのです。
「起きている」が表現出来ないのは、おそらく、そのためでしょう。
ちなみに、「起きている」は、be以外にstay、sitを使って
stay up
sit up
とも表現します。
ここで、本題に戻りましょう。
初めに紹介したセリフ
I’ll wait up for you.
は
wait for you
「あなたを待つ」
に
be up
「起きている」
が合体した表現です。
このときbe動詞は省かれます。
文法的に説明すれば、
(be) upは、「私が待っている」ときに状態を説明しているので補語(C)ということになります。
このように、主語の状態(状況)を説明する補語(C)を別の文に組み込むときはbe動詞を省いて合体させます。
He came home.
「彼は帰って来た」
+
He was tired.
「彼は疲れていた」
=
He came home tired.
「彼は疲れて(疲れた体で)帰ってきた」
I was up all night.
「私は徹夜した(夜通し起きていた)」
+
I was studying for the English exam.
「私は、英語の試験勉強をしていた」
=
I was up all night studying for the English exam.
「私は徹夜で英語の試験勉強をした」
英語音声付き解説は、近日中、Youtubeで予定予定