教える英文法17(仮定法6)ー S would rather (仮定法)
6 S would(had) rather (仮定法)
《一般的説明》
I would rather stay home.
「(今は)家にいるほうがいい / 家にいたい」
という表現であるが、「自分とは別の人が~すること(したこと)を望む」場合は(that) S + Vという文がくる。このとき、(that) S + Vという文は、wouldとの兼ね合いで仮定法がくる。
I would rather you stayed home. (仮定法過去)
「(できれば)君には家にいてもらいたい」
I would rather you had stayed home. (仮定法過去完了)
「(できれば)君には家にいてもらいたかった」
《問題提起》
would ratherの後に仮定法がくることは文法問題で結構出題されています。実際には仮定法を使わず
I would rather you stay home.
と表現する人がいます―特に、仮定法過去で。
しかし、これは(直説法を用いるのは)まれなので、実際に英文の中で出会ったときに、
「こういう人もいます」
と、軽く触れるだけでいいでしょう。
ちなみに
I would rather you stayed home.
I would rather you had stayed home.
という表現自体あまり一般的とは言えず、
I wish you stayed home.
I wish you had stayed home.
と表現するのが普通です。
would rather ~と言えば
would rather ~ than ・・・
あるいは、その類似表現がありますが、それは“助動詞編”で取り上げるほうが体系的説明をすることができます。“仮定法”が中心的テーマではなくなるからです。
なお、
had rather ~
という表現は
would rather ~
と比べてどれほどの重要性があるのでしょうか。
辞書や、一部の参考書や問題集の中にhad betterについての記述がありますが、実際にはあまり目にすることがないように思えます。
《解説》
had ratherについて「オックスフォード現代英語用法辞典」に次の記述があります。
「文法書や辞書には、had ratherという表現はwould ratherと同じように用いられると書いてあるものが多いが、これは正しくない。had ratherは標準現代英語には存在しない」(オックスフォード現代英語用法辞典より)
この意見に同感です。少し古い英文の中には見受けられるでしょうが。
《ブログ作者 注》
拙著を購入していただいた方々の手前、《解説》はいつも「略」とさせてもらっていますが、ブログ読者への感謝の気持ちから、今回、《解説》の一部を掲載します。